産業医とは
健康診断結果へのアドバイスや、職場の巡視・改善提案、ストレス対策等の幅広いサポートにより安全で快適な職場環境づくりを支援する医師です。
従業員数などにより、その選任と登録が義務付けられています。
中小企業において選任される産業医の種類
- 嘱託産業医 従業員50～999名 ※義務「労働安全衛生法」
- 登録産業医 従業員50名未満 ※任意
産業医が求められる背景と法改正
- 長時間労働とメンタルヘルス問題の深刻化
- 労働関連法の強化とコンプライアンス意識の高まり
- 働き手の高齢化・慢性疾患の増加
- 労働力不足と「健康経営」の推進
- 多様な働き方（在宅勤務・副業等）の広がり
近年の法改正
2015年ストレスチェック制度の義務化（2015年）、2019年には月80時間超の時間外労働に加え、月100時間超の労働者への医師による面接指導の必須化（自己申出制 → 事業者義務へ）、その他ハラスメントなど、様々な法改正が行われています。
嘱託産業医とは
嘱託産業医とは、常時50人以上999人以下の労働者を使用する事業場において、非常勤の形態で選任される産業医のことを指します。
多くの場合、開業医や勤務医が本業の診療と並行して嘱託産業医として活動しています。
嘱託産業医の主な業務内容
- 労働者の健康相談や指導
- 健康診断の結果に基づく意見聴取
- 長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導
- 衛生委員会への参加・助言
- 事業場の労働環境改善に関する提案
- 事業場の職場巡視
平野区医師会では、小規模事業場や嘱託産業医の選任が必要な中規模事業場に向けて適切な産業医の紹介を行い、地域の産業保健サービスの充実を図っています。
小規模事業所には「登録産業医」を
従業員数が50人未満の事業所であっても、健康管理の必要性に変わりはありません。
平野区医師会では、大阪南地域産業保健センターを介して「登録産業医」を紹介しています。
大阪府地域産業保健センターHP
従業員の皆様の健康を守ることで、事業の安定と発展に加え、”健康企業”のPRとしてもご活用ください。
健康診断・がん検診のご案内
平野区医師会では、産業医と連携し、健康診断を実施している区内医療機関のご紹介をしています。
対応内容：
- 定期健康診断
- 特殊健康診断（じん肺・石綿 など）
- 大阪市胃がん検診（内視鏡）、大腸がん・子宮頸がん検診
など多様なニーズに対応した医療機関をご案内します。
診断後のフォローアップも、産業医と連携しながら対応しています。
よくあるご相談例
健康診断の結果に対応する方法が分かりません。
健康診断の所見には再検査や職場での配慮が必要な場合があります。
平野区医師会では、嘱託産業医の紹介を通じて、事業場と契約した産業医が健康診断結果に基づいた相談や助言を行います。
また、労働者数50人未満の事業場は、地域産業保健センターの登録産業医による無料相談も利用可能です。
なお、医師会では個別の健康診断結果に直接お答えすることはできません。産業医の紹介をご希望の場合は、事業場名・所在地・従業員数などを明記のうえ、お問い合わせください。
長時間労働者に医師の面談が必要だと指摘されました。どうすればよいですか？
長時間労働者（時間外・休日労働が月80時間超など）には、医師による面接指導が義務付けられています。
この対応には産業医の関与が必要ですので、平野区医師会では嘱託産業医または登録産業医のご紹介を行っております。
まずは事業場の状況（所在地・従業員数など）を明記のうえ、医師会事務局へご相談ください。
ストレスチェックで「高ストレス者」が出ました。どう対応すればよいですか？
高ストレス者への面接指導は、労働安全衛生法に基づき産業医などの医師による対応が必要です。
平野区医師会では、産業医の紹介を通じて、必要な対応ができる体制を整えています。
50人未満の事業場の場合でも、地域産業保健センター経由での支援が可能ですので、お気軽にご相談ください
人数が少ない会社でも相談していいのですか？
はい、可能です。労働者数が50人未満の小規模事業場は、産業医の選任義務はありませんが、地域産業保健センターを通じた登録産業医による無料支援を受けられます。
平野区医師会では、そのような事業場に対しても産業保健サービスを提供できるよう支援体制を整えています。お気軽にご相談ください。
どのような事業所規模、内容でも、まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせは当医師会 事務局まで
E-mail：sangyoi@hirano-med.net
健康相談機関
- 医療法人寺西報恩会 長吉総合病院
- 平野東図書館前病院
- 医療法人高遼会 高遼会病院
- 医療法人愛賛会 浜田病院
